柳沢峠をヒルクライム

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2006.05.01 柳沢峠 (PEARL IZUMIレーパンよ、さようなら、そしてお疲れ)

 
 
 
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山梨市から柳沢峠を越えて武蔵野市へ

前日に、武蔵野市から甲州街道で山梨市へやってきた。 今日は、甲府市から柳沢峠を越えて丹波山村、奥多摩町を通り武蔵野市まで戻る。 3年前は2時間5分で登ったので今回は2時間未満で登ることが目標である。 柳沢峠の距離および勾配は下の通り。

向き 水平距離 標高差 平均勾配
塩山市側(千野駐在所前〜柳沢峠) 16.6km 1000m 6.0%

2時間未満という目標は着用しているPEARL IZUMI製のレーパンのためでもある。 今はいているレーパンは、2000年の夏に購入した初めてのレーパンなのだが、6年間におよぶ長い戦いで疲労が限界に達したため、今日の柳沢峠越えで現役を引退することとなったのである。

今までに2度縫い目がほつれ、そのたび裁縫セットで応急処置をほどこし、なんとか命をつなぎとめてきたが、とうとう3度目のほつれが発生したのだ。 加えて、生地がすれて薄くなり肌がすけて見えるようになってきたため、引退することとなった次第である。 後ろを走る永山が『うっすらシリの割れ目が見える』と言うのだ、もうどうしようもない。

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千野駐在所まで

朝、7時に目が覚めて気づいたのだが、昨夜買った豆乳やドリンクを飲んでいない。 とりあえず豆乳200ml x 3本を飲み、バームクーヘンと、チョコレートケーキを食べる。 500mlのドリンクが2本残っているがそんなに続けて水分は取れない。

レストランで朝食をとるため永山と待ち合わせをしているロビーへと向かう。 レストランはビュッフェスタイルになっている。 ご飯と味噌汁を1膳ずつと、スクランブルエッグや鮭を食べる。 食後にオレンジジュースを1杯飲んでレストランを後にし、一度部屋に戻りチェックアウトの時間までまったりと時間を過す。

チェックアウトぎりぎりの5分前に部屋を出てフロントへと向かう。 ホテルのPCでヒルクライムのタイムアタック開始地点である千野駐在所までのルートを確認するとホテルから4kmほどである。

チェックアウトし、車体に後部バッグやライトなどを装着しているときのこと、どうも永山の車体に違和感を感じる。 STIのレバーが標準的なセッティングである地面と垂直な位置よりも下方に傾いているように見えるのだ。 永山の車体は標準セッティングだった気がするが。

永山にSTIレバーの異変を告げると永山はさっそく試乗し、確かに変だという答えが返ってくる。 そういえば、昨日の新笹子トンネルで永山の愛車の前輪がギャップに落ちてすごい音を出していた。 ステムのハンドルのクランプ部のネジを緩めてハンドル角度を調整する。

永山の愛車のハンドル調整が終了、これで出発できるのだが、まずは水を購入しなくてはならない。 ホテル前にあるヤマザキストアで500mlのスポーツドリンクと300mlのミネラルウォーターを購入する。 300mlはボトルケージで積んでいく分で、500mlは今ここで飲むためだ。 500mlがあっという間に空になる....今日はやけに喉が渇いている。

千野駐在所までは3年前と同じように体力温存作戦で行くことにする....目標心拍数140で走れば温存できるだろう。

約4kmほど走って千野駐在所前の交差点に到着、体力温存作戦は大成功だ。

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アタック

3年前と同じく、速度よりも心拍数を基準に走る。 心拍数は160以下を基本とする。 ただし、勾配のきつい区間は心拍数170を上限とし、その後すみやかに160まで回復させる。

2時間を切ることを誓っていざスタート!!

しかし、走り出して5秒もしないうちに、サドルバッグが落下する。 実はサドルバッグが後部バッグを下方に押さえつけタイヤと接触していたため、緊急措置としてサドルバッグをハンドルに仮止めしていたのだ。

いきなり縁起が悪いなぁ。 バッグを再びハンドルに仮止めし、今度こそ出発する。

走り始めてすぐに右コーナーがあり、その先はすぐに急勾配が始まる。 心拍数を見ながらオーバーペースにならないようにして自分のペースで走る。 『では頂上で』と声をかけ永山が抜いていく。

速度は7km/h後半から9km/h前半の範囲だが、これでは記録更新は微妙なところだ。 うーん、やはりスプロケは25Tを装備しておくべきだったか。

アタック開始から約30分の地点で左に駐車場のある小さな会社を発見する。 駐車場に入ってくるくる回っていれば回復できるなぁと、思ったのだが、よく考えたら3年前もこの場所で同じ考えが頭をよぎったのを思い出して思わず一人笑いしてしまう。

もちろん駐車場には入らず先へ進むが、100mも進まないうちに身体が思い通りに動かなくなる。 筋肉に疲労感はないし、心拍数も高くはないのだが、ペダリング出力が上がらない。 そして、出力が上がらないにもかかわらずペダルを踏み込むと目がくらんでしまうのだ。

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リタイア

100m過ぎたところで右側にあるやや広いエリアで停車し足をつく。 ヒルクライムで足をついたということは、つまり、リタイアである。 ああ、ついに足をついてしまった。

2000年の夏に本格的に自転車を始めてから、ヒルクライムで足をついたのはこれが3度目である。 1度目はマウンテンバイクを改造した1号車で奥多摩湖まで走っているときに脚が攣って停車、2度目は3年前に同じく1号車で柳沢峠の丹波山村側で脚が攣って停車した。 ロードバイクに乗り始めてからまだ一度も足をついていなかったのだが、とうとう足をついてしまった。

愛車をガードレールに立てかけ、地面に座り込む。 不調の原因はわからないが、とにかく喉が渇き、くちびるはカサカサになっている。 ケージから水を取り出して飲むとあっという間にボトルが空になり、数秒もするとまたすぐにくちびるはカサカサになる。 脱水症状なのか?....でも信じられない。 筆者は普段のトレーニングでもあまり水分を必要とはしない。 3年前の柳沢峠越えも、乗鞍でも水分は取らずに登ったのだ。

尿意を感じたため大自然のトイレで用を足す。 大事な水分をなぜ放出しようとするのだ!!と思うが、以前、人間の身体というものは脱水症状になると逆に尿が出やすくなるというのを本かなにかで見た覚えがある。

空のボトルを眺めていてもどうしようもないので、20分ほど休息した後、再び愛車に跨り先へ進む。 しかし、100mも進まないうちにまたダウン。 車体を押して登ろうとするがそれも無理な状態になっている。

信じられないことに携帯電話を開くとアンテナが立っているので、とりあえず永山にメールを打つ。 『登坂無理、別行動で甲州街道で戻ることを検討中』と。 しかし、メールを送信しようとすると『ログインに失敗しました』と無情に表示され、圏外へと変わる。 やはりこの場所で電話が使えるわけはないか。

ここでも20分ほど休息をとり先へ進むと、少し進んだところで自動販売機コーナーを発見する。 砂漠でさまよっている水を無くした商人のように嬉しかったことは言うまでもない。

5台設置されている自動販売機だが、水はDyDoのMIUのみである。 DyDoのムースミルクティーとMIUを購入、日陰のベンチに座って、乾いた身体に水分を流し込む。 飲み終えて数秒もしないうちに、くちびるはカサカサな状態に戻ってしまう。

休息していると目の前の坂を揃いのジャージを着た男女二人のローディーがいいペースで登坂してゆく。 後で永山から聞いたところによると、前を走っている男性ローディーは片腕だったとのことだ。 筆者も以前、武蔵野市の五日市街道で30km/hで走っている片腕ローディーに遭遇したことがある。

ムースミルクティー1本とMIU3本をさらに摂取しながら脱水症状に襲われた原因を考えてみる。 昨日、武蔵野市から山梨市まで110kmを走ったのだが、途中で補給した水分は1.5Lほどで、夕食ではコップ2杯の水を、ホテルに戻ってからは200mlの豆乳を飲んだだけだ。 今朝も豆乳600mlと味噌汁1杯、500mlの水といった具合で十分な水分は取っていない。

さらにMIU1本を摂取し、ようやくくちびるに潤いが戻る。 ここで2度目の自然のトイレタイム。 すぐ横にある川原に下りて用を足そうとすると、ガサガサと音がして草むらから4本足の小さな動物が逃げていく....イタチだ。 自転車で走っていて、普段は見られない野生の動物と出会うのはこれが3度目だ。 青梅市でタヌキ、柳沢峠で鹿、そして今回のイタチである。

MIUをさらに1本購入し、ボトルケージに挿して出発するが、しかし、まだ身体は動かず、愛車を押して進むことに。

急激に水分を補給しても吸収はされないだろうと思ってのんびりと1時間30分をかけて水分を取ったこともあり、この時点でアタック開始から3時間が経過している。 筆者が3年前に2時間5分で登ったことは永山は知っているので、そろそろ異変に気がついていることだろうからあまりのんびりしてはいられない。

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永山と遭遇

愛車を押しながら登坂していると見通しの悪いヘアピンが出現する。 こんな見通しの悪いヘアピンを車体を押して登るのは怖いものがある。 押して歩くと幅をとってしまうため後ろからやって来る車にひっかけられる可能性がある。

ヘアピンの脇には温泉施設があり、その施設内をショートカットするとヘアピンの先に出られそうだが、現在、アタック開始から3時間30分が経過しているので下ってくる永山とすれ違う可能性もある。 ヘアピンを永山が通らないかに注意しながら温泉施設内をショートカットする。 ヘアピンの上で一般道路へと戻り、乗車して峠を目指していると、大菩薩峠への分岐点へとさしかかる。 この時点でボトルケージのMIUはすでに空である。

大菩薩峠との分岐点には登山者向けの民宿や食堂があるので自動販売機がないか確認するが見当たらないため先に進もうとすると、『見ーつけた』と声をかけられる、永山が下ってきたのだ。

とりあえず公園で休息し、脱水症状か熱中症であるらしいことを永山に説明する。 永山のPOLAR S710i(サイクルコンピュータ機能付きの心拍計)には最高気温34℃が記録されているとのことだ。 後で知ったことだが、この日は真夏日で、甲府市は全国で最も高い気温を記録していたのだ。

民宿や食堂に自動販売機がないか確認すると、食堂の入り口付近に公衆電話が設置してあるのが見える。 食堂の前に向かうと....自動販売機が設置されているではないか。 食堂のおばさんに『よもぎ饅頭』をすすめられたので、購入しておいしくいただく。 自動販売機はまたまたDyDoで水もこれまたMIUである。 MIUをさらに2本補給する、これで8本目のMIUだ。

MIUをさらに3本購入し、1本をボトルケージに、2本を永山のバックパックに収納してもらい峠を目指す。 永山の話によるとここから峠までは約9kmだとのこと。 永山のタイムは1時間49分だったとのことで、目標である2時間を切っている。

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ゴール

1kmほど進んだところで3度目のトイレタイム。 林業用だと思われる未舗装の道に入り大自然のトイレで用を足す。 5L近く水分を取ったおかげで排出される水分もすごい。

1km進んで休むということを繰り返しながら峠を目指す。 ボトルケージのMIU、永山のバックパックの2本のMIUが空になり、峠まで残りは1kmとなる。 うーむ、よく11本もMIUを飲んだものだ。



ジリジリ登ってようやく峠へ到着した。 タイムは約6時間、というより足をついたためタイムなど意味はないのだが。

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丹波山村へ

峠にある食堂でカレーを注文する。 喫茶店などでよく使われている缶詰の業務用のカレーだ。 しかし、疲れた体にはただのカレーがものすごく美味い。 カレーを堪能し、チョコレートを購入して食堂を後にする。 トイレで4度目の放水をした後、購入したチョコレートを食べる。

ウィンドブレーカとレッグウォーマーを装着し、丹波山村へ向けてダウンヒル。 路面が悪いため30km/hを越えないようにブレーキングしながら下るため手の握力がすぐになくなる。 5kmほど下ったところで5度目のトイレタイム、いったいどれだけ放水すれば気が済むのだ。

10kmほど下り、キャンプ場などの施設が目につくようになると役場まではもうすぐである。 しかし、その前にまた6度目のトイレタイムだ。 さらに下って役場前の交差点へ到着した。

丹波山村役場前の橋で休息をとっていると橋のわきにある『民宿 お富さん』のおばさんがやってきて『お兄さんたちご飯食べた?』と訊ねてくる。 『おにぎりとコロッケがあるからよかったら食べて』と、アルミホイルに包まれたコロッケとおにぎりをくれる。 カレーを食べたばかりでお腹は空いていないので、とりあえず永山のバックパックに収納する。 おにぎりとコロッケは奥多摩湖でいただこう。

もし、丹波山村で宿泊することがあれば『民宿 お富さん』に泊まろうと心に誓って丹波山村を出発する。

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奥多摩湖へ

丹波山村から奥多摩湖まではアップダウンが多く、決して楽なコースではない記憶がある。 しかし、今日は思ったよりも楽に走れている。 そういえば、3年前は下りでもガンガン飛ばしていたのだった....それでキツい印象が残っているのか。 今回はマフェトンなのでそれほど疲労することなく奥多摩湖の湖畔へ到着した。

奥多摩湖の湖畔沿いを走りながら水と緑のふれあい館を目指す。 数km走って水と緑のふれあい館から600mほど離れたパーキングで停車する。 パーキングのトイレで7度目のトイレタイムを楽しむためだ。

600m進んで水と緑のふれあい館に到着した。 近くのベンチで、『民宿 お富さん』のおばさんがくれたおにぎりとコロッケを食べる。 コロッケは商売ができるほど美味しい....というか民宿だから商売か。 おにぎりも絶妙な塩加減でとてもおししい。 以前、コンビニで『銀シャリむすび』という具の入っていないおにぎりが販売されていて大変おいしかったが、この『民宿 お富さん おにぎり』も大変美味しい。

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青梅市へ

奥多摩湖を出発し、ひとまず古里を目指す。 青梅街道を下り古里を目指すが、途中で新しい道路へと進んでみることにする。 その新しい道路は弁天橋の直前から始まっており、おそらく氷川トンネル下の梅沢大橋まで続いていると思われる。 この弁天橋そばと、梅沢大橋付近の二箇所から新しい道路が伸びているからだ。

新しい道路は100mほど進むと路面が綺麗で走りやすい愛宕トンネルへと入る。 愛宕トンネルと抜けると道は二手に分かれ、左は奥多摩駅へ、このまま真っ直進するとおそらく梅沢大橋の新しい道へと続くのだろう。 しかしながら、案内板には、この先は住民の方以外はご遠慮くださいと書いてあるため左折して奥多摩駅へ進む。 後でわかったことだが、愛宕トンネルを抜けた後、左折して奥多摩駅へ向かうとかえって遠回りとなってしまう。 愛宕トンネルを抜けた後も真っ直ぐすすみ梅沢大橋まで進めばかなり距離を短縮できるのだが、住民以外は走るなとかいてあるため走るわけにもいかない。

奥多摩駅で8度目のトイレタイムを終え、再び古里を目指して走る。 新氷川トンネルを抜け、白丸駅、鳩ノ巣駅を過ぎ、古里へと到着した。

古里から青梅までは普段は吉野街道を使うのだが、今日は青梅市から武蔵野市までを旧青梅街道で走るため、遠回りとなる吉野街道は避けて青梅街道で下ることにする。 川井、御岳、沢井、軍畑、二俣尾、石神前、日向和田、宮ノ平と普段あまり通らない駅前を通過し、青梅市へと到着した。 青梅街道は青梅市民センターの交差点で右折するが、直進して旧青梅街道へ入る。 成木街道入口を越えて東青梅駅へ近づくとY字路へと出るが、ここを右へ進むと青梅街道へ出てしまうため、左へと進む。 そのままひたすら進むと、今井馬場崎の交差点で岩蔵街道へどぶつかるので右折して岩蔵街道へと進む。 岩蔵街道を4.5kmほど進むと旧青梅街道へと入る。

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武蔵野市へ

走りなれた旧青梅街道を走り武蔵野市を目指す。 青梅市から約30km走り西東京市へと入る。 永山は武蔵野市まで戻る必要はないため、西東京市向台町のセブンイレブンで最後の休息をとり別れることにする。



甲府盆地往復240kmツアーを走った愛車と一緒に記念撮影し、それぞれ自宅を目指す。 PEARL IZUMIレーパンよ6年間お疲れ、そしてありがとう。

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